July 01.2010

Vol.2 植物成分でアンチエイジング

植物性スクワラン・オリーブオイル・ローズ成分のアンチエイジング効果

植物成分でアンチエイジング
植物成分が肌の免疫力を高めるメディカル・オーガニックコスメ」第2回。
ダメージに強い肌をつくり、現代医療も注目する「植物成分」について。

"老化がすすむ原因のひとつは、誤ったスキンケア"

「肌の老化がすすむ原因のひとつは、誤ったスキンケア」だと筑丸さんはいいます。「誤ったスキンケア」とは、合成界面活性剤を始めとする化学成分だらけの基礎化粧品を使うことです。植物成分は、肌がおだやかに年を重ねる手伝いをしてくれます。

1. 植物性スクワラン・オリーブオイル・ローズ

植物性スクワラン
保湿効果と抗菌作用、皮脂膜によるバリア効果を示す。
オリーブオイル
保湿効果、皮膚の軟化にすぐれている。
ローズ成分
ローズヒップオイルは肌への浸透力にすぐれ、ローズエキスは香りで気持ちから若返る。
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2. 合成界面活性剤入りの基礎化粧品が老化をまねく

合成界面活性剤は脂を落とし、皮膚の奥まで水分や有効成分を送り込むのが目的のはずでした。
しかし合成界面活性剤は皮膚のバリアを破壊してしまいます。バリアが破壊されていたのでは、皮膚の奥まで入れたはずの水分もあっという間に蒸発し、カサカサの肌になってしまう。それを解決するために、絶えず合成界面活性剤や化学成分入りの化粧品を使い続けることに――。
この問題を解決しないまま、アンチエイジング化粧品が売られていることを、筑丸さんは危惧しています。

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3. 使用感がよくて安全な植物性スクワランとオリーブオイル

タウトロッフェンのヨハネスクラウトオイルとヴィ・アロームのセントジョーンズワートオイル

筑丸さんは治療において、植物性スクワランとオリーブオイルは使いやすさと安全性、使用感のよさを念頭において使用しています。しかし、植物性スクワランとオリーブオイルは皮膚組織にとって、とてもよい働きをしてくれるのです。

「スクワランとは深海ザメの肝油だけをいうのではありません。動物性のものもあれば植物性のものもありますし、石油から合成されたものもあります。当然、私は植物性のものを選びました」と筑丸さん。
植物性スクワランには保湿効果があり、皮脂膜をつくることによるバリア作用があります。さらに抗菌作用まであるのです。

オリーブオイルも保湿にすぐれ、皮膚をやわらかくします。ビタミン、ミネラルが豊富で、人間の皮脂と同様オレイン酸が主成分。そのため肌になじみやすいという特徴もあります。

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4. 肌と気持ちを若々しくするローズ成分

バラによって美しさを保つ、若返るということについては、歴史でも数多くの逸話が残っています。最近でも、ノバラの種子から採れるローズヒップオイルがブームになりました。

筑丸さんもローズヒップオイルと水だけでコスメを手作りしたことがあるそうです。「使うときにそのつど振って水とオイルを混ぜていました。ローズヒップオイルは肌への浸透が非常によいですし、水の粒子を細かくしてくれるんです」。

バラのエキスはなんといっても香りがすばらしく、筑丸さんも使ってみたことがありました。「保湿とアロマのリラックス効果をねらったのですが、香りに敏感な方もいらっしゃいますから」とのことで、バラの香りが好きな人にはおすすめだそうです。

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5. Column - 現代のアンチエイジング美容の問題

オリーブ石鹸とモイスチャーミルクとアイフォーミュラ

多くのアンチエイジング化粧品には、高分子ポリマーが配合されています。「高分子ポリマーとは、"ビニールのり"みたいなものです」と筑丸さん。合成界面活性剤に混ぜて皮膚の奥に入れた水分を、蒸発しないように覆ってしまっているのだといいます。いっとき肌はハリとツヤを取り戻し、 しわも消えたかに見えます。しかし使用をやめると、肌はいっぺんに乾燥し、しわだらけに。肌がみずからうるおいやハリを取り戻したわけではないからです。

また、アンチエイジング化粧品の多くが、全成分がわからない医薬部外品であることも問題です。

最近話題のボトックスは、注入することで肌の筋・神経にマヒを起こさせ、その結果しわが消えるというものです。ちなみにボトックスとは、なんとボツリヌス菌のこと。食中毒の原因になったり、生物化学兵器にも使われる有毒の細菌です。美容に使われるのはごく微量なので、人体に影響はないとのことですが、あまり気分のよいものではありません。 ボトックスを使うと、顔面神経マヒのような顔になってしまったり無表情になってしまったりすることもあるそうです。筑丸さんも「あまり使いたくないですね」と言っています。

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筑丸志津子 Chikumaru Shizuko
筑丸志津子さんケセラ スキンケアクリニック院長。医学博士、日本皮膚科学会専門医。1986年東海大学医学部卒業。 その後、関東逓信病院で内科、麻酔科、皮膚科診療に従事。2002年、横浜市青葉区に松風台クリニックを開設。
2004年9月、松風台クリニックを閉め、 同年10月、田園都市線たまプラーザ駅前にケセラ スキンケアクリニックを開設。研究分野では、1992年より横浜私立大学医学部細菌学教室にて、 腫瘍、分子免疫学を研究。1997年より医療法人財団コンフォート病院免疫研究センターにて分子腫瘍免疫学、細胞老化制御部門研究を行う。
現在、自然療法医アンドルー・ワイル氏が主催する、フロリダのホリスティック・ヘルス・アカデミーの通信講座にて栄養学を学んでいる。 著書に「皮ふ科ドクター推奨 免疫メディカルコスメで美しく生まれ変わる!」 「最強のアンチエイジング リセット・スキンケア」(ともにメタモル出版刊)がある。