July 01.2010

Vol.1 現代医療でも見直されている植物の美容成分

植物成分でダメージを受けにくい肌をつくる

植物成分が肌の免疫力を高めるメディカル・オーガニックコスメ
植物成分が肌の免疫力を高めるメディカル・オーガニックコスメ」第1回。
ダメージに強い肌をつくり、現代医療も注目する「植物成分」について。

皮膚科の治療で確かな効果を示す植物成分

皮膚科医の筑丸志津子さんは自ら主催するクリニックにて、植物成分によるメディカルコスメで治療を行い、実績を上げています。筑丸さんに現在の化粧品の問題点や、治療における考え方についてお話を聞きました。

1. 肌だけでなくからだも傷める化粧品の怖さ

筑丸さんが気になっているのは、市販されている多くの化粧品です。 「化粧品には、からだにとって好ましくない化学成分を配合しているものが驚くほど多いですね」という筑丸さん。肌にもからだにも悪い化粧品のおかげで傷み、シミやくすみに悩む肌を診察するのは、けっして珍しいことではないといいます。

「好ましくない化粧品を使い続けたおかげで肝臓病になる、生活習慣病になる、ガンになる、というのは、ありえない話ではありません。化粧品の危険性の本質は、肌だけでなく、からだの芯を傷めるところにあるのです」と筑丸さんは指摘します。

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2. 肌の健康とからだの健康はひとつのもの

肌には、害を及ぼす物質を体内に入れないようにするためのバリア機能が備えられています。しかし、化粧品によく使われる合成界面活性剤は肌のバリアを壊して体内に侵入します。体内に入った合成界面活性剤や化学物質は血液の流れに乗って全身をめぐり、最終的には肝臓にダメージを与えてしまうのです。傷んだ肝臓が処理しきれず、血液にあふれ出した化学物質や老廃物は、皮膚に沈着してシミになります。そんな状態では、体内に侵入した有害物質を排除する免疫力も酷使され、機能が衰えてしまいます。そうなると深刻な病気になってしまうこともあるのです。

少し詳しく説明すると、有害物質は角質の下にある皮下組織に長い間とどまり、体外に排出されるまでに長い時間がかかります。普段は皮膚の角質部分が毒物を取り込まないためのバリアの役目を果たしていますが、ほとんどの化粧品に含まれる合成界面活性剤がこのバリアを徐々に破壊して、危険な成分を体内に入り込ませやすい肌へと変質させてしまうのです。

皮膚科医は患者の肌を見ることで、病気のおおよその状態を判断するそうです。「からだが不健康なのに肌は健康、なんてありえません。逆に肌が健康なら、ガンだって寄り付きませんよ」と筑丸さんは言います。

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3. データに裏付けられた植物成分の効果

筑丸さんが皮膚科治療の現場で使うメディカルコスメは、植物から採られた成分で作られています。合成界面活性剤を始めとした、からだに悪影響を及ぼす可能性がある化学合成物質は排除しました。

「肌本来の機能を回復させるのは化学成分ではなく、自然の中に存在する植物の成分にある」と考えたからです。

実際に患者100人にメディカルコスメを使ってもらい、外部の検査機関に委託して血液、毛髪のミネラル、皮膚の状態を検査。3ヵ月から1年追跡してデータを積み重ね、シミやしわ、炎症などの肌のトラブルに対して、確かな効果があることを実証しています。

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4. 美しい肌の鍵は「自然治癒力」と「免疫力」

傷んだ肌を治療するときに筑丸さんが心がけているのは、なにより肌の正常な働きを取り戻すことです。

「肌は本来、生きた細胞によって成り立っている"生き物"です。 生きた細胞によって成り立っている組織は、個々の細胞が元気であればあるほど、健康的に輝きます」と筑丸さん。人が本来備えている「自然治癒力」「免疫力」を活かすことが、美しく健康な肌のために最も重要だと考えています。それはまさに「内面から湧きあがる美しさ」なのです。

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5. Column - 化粧品にあふれる合成界面活性剤の問題

肌は、上から角質層、顆粒層と有棘(ゆうきょく)層からなる表皮層、基底層、真皮層で成り立っており、メラニン色素をつくるメラノサイトは表皮層の中にあります(イラスト参照)。表面は表皮層から分泌される皮脂でおおわれています。そして28日周期で代謝を繰り返しているのです。

通常化粧品を肌に塗っても、肌のバリアをつくっている角質層と顆粒層からは、すんなりと有効成分は入ってゆきません。そこで登場するのがラウリル硫酸ナトリウムやポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどの合成界面活性剤です。合成界面活性剤は肌のバリアを抜けて、肌の真皮層にまで有効成分を送り込むために、化粧品に配合されています。

しかしこれには、大きな矛盾があります。合成界面活性剤は皮膚細胞の細胞膜をも溶かして、細胞を萎縮させてしまいます。そのため、肌は細胞レベルで傷ついてしまいます。

現在、合成界面活性剤は石油だけでなく、糖やアミノ酸、コラーゲンやアルコールからも作られています。しかし、人工的な化学成分であることに変わりはなく、肌に対して深刻なダメージを与えます。それらの名称は自然物そっくりなので注意しなければなりません。「アミノ酸石けん」と呼ばれるものや加水分解タンパク質などがその代表です。

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6. 正常な皮膚の断面図

正常な皮膚の断面図


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筑丸志津子 Chikumaru Shizuko
筑丸志津子さんケセラ スキンケアクリニック院長。医学博士、日本皮膚科学会専門医。1986年東海大学医学部卒業。 その後、関東逓信病院で内科、麻酔科、皮膚科診療に従事。2002年、横浜市青葉区に松風台クリニックを開設。
2004年9月、松風台クリニックを閉め、 同年10月、田園都市線たまプラーザ駅前にケセラ スキンケアクリニックを開設。研究分野では、1992年より横浜私立大学医学部細菌学教室にて、 腫瘍、分子免疫学を研究。1997年より医療法人財団コンフォート病院免疫研究センターにて分子腫瘍免疫学、細胞老化制御部門研究を行う。
現在、自然療法医アンドルー・ワイル氏が主催する、フロリダのホリスティック・ヘルス・アカデミーの通信講座にて栄養学を学んでいる。 著書に「皮ふ科ドクター推奨 免疫メディカルコスメで美しく生まれ変わる!」 「最強のアンチエイジング リセット・スキンケア」(ともにメタモル出版刊)がある。