特集1食卓からの健康宣言
その5 白砂糖の摂りすぎに注意

栄養素がほとんどない白砂糖

お菓子や清涼飲料水、また調味料として、砂糖は大量に消費されています。しかし一般に出回り使用されている白砂糖は、硫酸による精製を何度も繰り返して白さを得る代わりに、原料のさとうきびやてんさいが持つビタミンやカルシウム、鉄などのミネラルを失い、その結果、ほぼ純粋な含水炭素だけが残った状態なのです。

特定の栄養素を摂りすぎることは、からだに悪影響を及ぼします。白砂糖の摂りすぎが肥満の原因であることはよく知られていますが、それ以外にも吸収が速いため血糖値が急上昇し、これを抑えるためのインスリンが分泌され、今度は血糖値が急降下。また甘いものが欲しくなってお菓子などを食べると再度血糖値が上昇……という悪循環に陥ります。

また、白砂糖の代謝にはビタミンB1が必要となりますが、現在のように白米を食べている状況では、ビタミンB1は慢性的に不足状態です。そこへきて白砂糖を大量に摂取すると、代謝がうまくいかず余分な酸が体内に溜まりやすくなります。そうすると酸を中和するために予備アルカリやカルシウムが動員されて、これらが減少。体調を損ねたり骨や歯をもろくする、またいわゆる「ムカつく」「キレる」状態を引き起こすのです。

精製されていない甘味料を使おう

でも、甘いものを食べることが楽しみやくつろぎにつながることも事実です。そこで白砂糖以外の甘味を利用しましょう。黒砂糖、はちみつ、メイプルシロップ、麦芽水飴などがあります。

黒砂糖は精製される前の砂糖で、カルシウムが多く、ビタミンB1、B2、B6、鉄も豊富に含まれます。はちみつはこれらに加え銅、マンガンなども含み、また花の種類によって含まれる栄養素が変わってくることも特徴です。

お菓子作りなどにはドライフルーツの甘さを利用するのも良いでしょう。いずれも白砂糖に比べて穏やかな甘さが特徴です。

人工甘味料に注意しよう

砂糖のカロリーを気にして、多くの人工甘味料が出回っています。「ダイエットシュガー」などといわれているものがそれです。

最も多く使われているサッカリンは一時、発がん性が指摘され使用が禁止されましたが、その後の実験で発がん性を認めないという結果が出たため、現在は暫定的に一日の許容摂取量を決めて許可されています。しかし本当にこれで良いのかは今後の研究を待たなければなりません。

「ノンシュガー」と銘打った商品に使われているのはキシロース、ソルビット、マンニットなどです。これらは自然の単糖類やこれを還元して得られる糖アルコールです。血糖値の急上昇はないものの、たくさん摂ると下痢をしやすく、開発されてからの年月も浅いため、長期的に人体にとってどんな影響があるのかはまだわかりません。

白砂糖や人工甘味料の使用はできるだけ避け、素材そのものの天然の甘さを活かし、それを感じる味覚を養いたいものです。

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