特集1食卓からの健康宣言
その1 ご飯は未精白米にする

芽が出る玄米パワーが元気のもと

ヘルシーなご飯として、最近玄米が見直されています。玄米は水に浸けておけば芽が出てくる「生きた」お米。その生命力の証こそが豊かな栄養素なのです。

玄米にはビタミンB1、B2、B6、タンパク質のほか、鉄、カルシウム、リンなどのミネラルや繊維質も含まれています。これらの栄養素の多くは、ぬかの部分にあり、精白して白米にするとほとんどが剥がれ落ちてしまいます。芽を出す胚芽とぬかを取り去った白米は、水に浸けておいても腐るだけです。

ビタミンBが人体の生理活動に重要な役割を果たすことがわかってきています。B1はエネルギー代謝やホルモン調整、成長促進、貧血防止、皮膚や粘膜の保護、神経系の機能維持などに使われます。これが不足すると脚気になるのは有名な話です。また、B2には発がん防止効果があるといわれ、B6の不足は糖尿病や動脈硬化を引き起こす可能性を指摘されています。鉄やカルシウムも含まれていることから、貧血や骨粗しょう症の予防も期待できます。

米ぬかは有害物質の排泄を助ける

米ぬかの繊維は、放射性物質や化学物質をからだの外に出すといわれています。一時水銀やカドミウムによる米の汚染が話題になりましたが、玄米なら食べてもこれらの吸収が少ないようです。最近ではダイオキシンの吸着、排出効果も確認されています。 思い起こせば米ぬかは古くから美肌のための化粧品として使われ、現在では合成化粧品による黒皮症の治療にも効が認められているものです。

玄米を食べるようになると、お通じがよくなり、ビタミンやミネラルがからだの生理機能を整えます。阻噛の回数が増えて、少ない量で満腹感を得られるため、食べすぎも防ぎます。また、不思議と野菜の摂取量が多くなり、一方で肉を食べなくても平気になってくるそうです。

玄米を炊くときは、まず研ぎすぎないことです。圧力釜で炊くことが多くなりますが、圧力釜で炊くとビタミンB1一部破壊されます。最近は玄米モードのついた炊飯器も増えているのでより手軽に玄米を炊けるようになりました。また、発芽玄米は白米と同じように炊くことができるため、人気を集めています。 ただ、子供や老人、胃腸病の人や、どうしても玄米が苦手な人もいます。そのようなときは状態に応じて重湯やお粥、スープにしたり、三~七部の「部づき米」や胚芽米を利用しましょう。

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